山口県周南市の静寂な禅寺 – 漢陽寺の魅力
山口県周南市の鹿野上に佇む 漢陽寺(かんようじ) は、臨済宗南禅寺派に属する由緒ある寺院です。正式名称は 「大本山南禅寺派別格地 鹿苑山 漢陽寺」。その歴史は深く、1374年(応安7年)、室町時代の名僧 用堂明機禅師 によって開山されたと伝えられています。
日本庭園の名匠・重森三玲が手掛けた庭園
漢陽寺の魅力の一つに、昭和の作庭家 重森三玲 が手掛けた庭園があります。境内には、異なる趣を持つ 6つの庭園 が配され、訪れる人々に四季折々の美しさを提供しています。
中でも特に有名なのが:
- 「曲水の庭」 – 流れる水のような砂紋が特徴的な枯山水庭園
- 「地蔵遊化の庭」 – 禅の教えを感じさせる趣深い庭
- 「九山八海の庭」 – 仏教的世界観を表現した独特の造形美
これらの庭園は 2021年10月、国の登録記念物(名勝地関係) に指定され、その文化的価値が認められています。
四季折々の風景 – 特に秋の紅葉は圧巻
漢陽寺は 紅葉の名所 としても知られています。秋が深まる頃には、境内全体が鮮やかな赤や黄色に彩られ、枯山水庭園や苔庭との美しい対比が楽しめます。静寂な空間の中で、心落ち着くひとときを過ごせることでしょう。
禅の体験 – 写経や座禅で心を整える
この寺院では、希望者が 写経や座禅 体験を通じて、禅の精神に触れることができます。事前に予約をすれば、日常の喧騒を離れ、心を落ち着ける貴重な時間を過ごすことができるでしょう。
アクセス
漢陽寺へのアクセスも良好で、
🚗 車の場合:中国自動車道「鹿野IC」から約1分と非常に便利な立地です。
🚌 公共交通機関の場合:JR徳山駅から防長バスで「鹿野」バス停まで約50分、その後徒歩10分 で到着します。
歴史ある禅寺の静寂の中で、心安らぐひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

苔の緑と石の力強さが見事に調和する枯山水庭園。この庭は、自然の山々や渓谷を象徴しており、石は「山」、苔は「大地」を表しています。川を表現する白砂が流れを感じさせ、そこに配置された石が、まるで小さな世界(小宇宙)を作り上げているかのようです。この庭園は、見る者に自然の壮大さと、禅の「小さな中に大きな世界がある」という哲学を感じさせます。

白砂の庭園に描かれた円形の波紋模様。これは「水面に落ちた一滴の水が広がる様子」を表現しており、波が穏やかに広がることで、心のざわめきを鎮めてくれます。円は「無限」を象徴しており、禅の思想では「心の安定」や「永遠」を意味します。この景色を見ていると、自然と呼吸が深くなり、心が整います。

苔に覆われた岩と、緑豊かな木々が映り込む庭の一角。苔は何年もかけてゆっくりと成長するため、時間の経過を感じさせます。岩は不動の存在感を放ち、苔と木々の柔らかさとのコントラストが印象的です。このエリアは、四季折々の表情を見せ、訪れるたびに新しい発見を与えてくれます。

白砂の庭に配置された5つの大きな石。石は「山」や「島」を象徴し、白砂は「水」を表現しています。白砂に描かれた波紋は、水面に広がる波を想像させ、自然の流れや静けさを感じさせます。この庭園は、眺める人の心を「無」の境地へと導き、日常の喧騒を忘れさせてくれる癒しの場所です。

洗練された床の間のデザインが特徴的な一枚です。掛け軸には「禅の心」を表現するような墨書が施され、床の間にはシンプルな茶器が配置されています。光が畳の上に柔らかく差し込んでいます。
動画では漢陽寺の庭の魅力をより深く見れます。是非、ご覧ください。
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